- 監修:管理栄養士 磯村優貴恵
子供の少食・偏食に悩んだら見直したい3つのこと【管理栄養士監修】
子供の少食・偏食に悩んだら…管理栄養士からのアドバイス
子どもの食は健やかな成長には欠かせないキーワード。
出来ることなら何でも偏りなく食べてほしい・・・というのが親の願いではないでしょうか。
しかし、子育て中の親にとって子どもの食に関する悩みはつきものです。
なかでも多く聞かれる「少食」と「偏食」についてお伝えします。
少食ってなに?
少食とは、文字通り食べる量が少ないことです。
成長するためには十分なエネルギーや栄養素が必要となります。
しかし、そもそもの食べる量が少ないと、エネルギー自体が不足しがちであったり、身体が弱かったりと健康面でも心配になることがあると思います。
ここで偏食との大きな違いは「全体的に栄養素が不足している」ということです。
では、なぜ少食なのでしょう。
子どもの少食に悩んでいるお母さんの中には、「私の料理が美味しくないのかしら・・・」とご自身を責める方もいらっしゃいます。
しかし少食の原因は人それぞれです。
少食改善のポイントは大きく2つあります。
①食に興味を持たせる
そもそも食に興味がなかったり、食事に対して嫌な思いを持ってしまったりしては「食事=楽しくない」というイメージがつきがちです。
まずは食に興味を持ってもらうために、食材を一から育てたり、収穫体験をしたりするのも良いでしょう。
また、買い物に出かけて食材を一緒に選ぶのも興味を持つきっかけになります。
その他には食事をする環境を整えてあげるということ。
「好き嫌いしちゃだめ!」「早く食べなさい!」など、子どもの食事中に怒っていませんか?
食事は楽しむことが重要です。一緒に食卓を囲んで、今日あった出来事やメニューについて話をするなど、コミュニケーションを取ることで「食事=楽しい時間」という感覚を持たせましょう。
食事に集中するためにテレビやおもちゃ、スマホなどを近くに置くクセをなくすことも大切です。
②生活習慣を見直す
食の悩みだから食に原因がある、とは限りません。
食事というのはお腹が空いている時にいただくからより美味しさが増します。
運動不足ではエネルギーの消費が少ないため、お腹が空いていない⇒食欲がわかない、ということも考えられます。
また、運動不足で体が疲れていないと夜になってもあまり眠くならずに夜更かしをする原因にもなります。
その結果、朝起きるのが辛く、起きても食欲がなかったり、食事の時間を取れずにご飯を食べられないという悪循環に陥ります。
食事に悩みがある場合は、食だけでなく、生活習慣全体を見直すことから始めてみましょう!しっかり動いてお腹が空いたら、自然と食欲も湧きます、質の良い眠りにもつながります!
偏食ってなに?
偏食とは文字通り、食事が「偏っている」ことです。
例えば、○○ばっかり食べる、△△は食べない・・・など。
偏食が良くないとされている理由は、偏食することによって結果的に栄養が偏りやすくなるからです。
偏食になる理由は?
偏食になる理由には「食経験」が大きく関わっています。
大人に比べて食経験がうんと少ない子どもは、初めて食べるもの、未経験なものに対しては少し距離を置こうとします。
「食べたことないから嫌い」、つまり食わず嫌いである場合が多いのです。
もう一つは経験に伴う「思い出」です。
悪い思い出とともにある食材(メニュー)は嫌いになる可能性が高まります。
例えば食べた後にお腹が痛くなった、など。
逆に、お誕生日にみんなでお寿司とケーキを食べたなど、その食材(メニュー)を食べている時にとっても楽しい事があった、という思い出ができると、それは大好きなものになるでしょう。
しかし、大好きになったからといって「○○ばっかり」にならないように注意することも必要です。
まだまだ食経験が少ないため、この時期にすべてを克服するのは難しいと思います。
まずは食材・環境共に食経験を少しずつ増やしていき、出来ることから始めていきましょう。
偏食を改善するには?
例えば、お子様がピーマンが嫌いだとします。
しかし、ピーマンを食べないからと言って致命的に栄養バランスが崩れるということはありません。
ここで大切なのは「代わりになる食材を見つける」ということ。
ピーマンに含まれる代表的な栄養素はβカロテンです。
これをピーマン以外から補うとなると緑黄色野菜であるかぼちゃやニンジンで代用ができます。
栄養価の観点からみると、このように「代替食材」を把握することで偏食における栄養の偏りの問題を解決できます。
しかし、偏食や好き嫌いをなくした方が良い理由は、栄養価以外にも考えられます。
例えば、大人になった時に仕事の会食や友人・知人との食事の場でも、偏りなく食べられた方が自身も楽しい時間を過ごすことができるはずです。
少食・偏食に悩むママたちのお悩みと解決方法
最後に、実際にママたちから寄せられた食の悩みについて、解決方法をご提案いたします。
お悩み(1)白ごはんが嫌い!
実は、「白いごはんが嫌い!」というお子さんは少なくありません。
真っ白で特徴的な味もなく、特に濃い味に慣れているお子様にとってはあってもなくても良いと思ってしまうもの。
その時は、混ぜご飯にしたり、海苔巻きにしたりすると旨味や食感が加わり食べやすくなります。
おむすびにして手づかみで食べられる形にするのも良いでしょう。
また、日本食の特徴として「口中調味(こうちゅうちょうみ)」というのがあります。これは、口の中でごはんとおかずを混ぜ合わせて食べる、という食べ方です。
この特徴を生かして、ご飯にはごはんに合うおかずを合わせて一緒に食べるとさらに美味しいよ、ということも教えてあげましょう。
お悩み(2)周りの子と違う気がする・・・。
保育園や幼稚園、小学校・・・と年の近いお友達が増えるほどに気にしてしまうのが「周りとの差」です。
「○○ちゃんはあんなに食べているのに、うちの子は全然食べていない!」
とても不安になることも多いと思います。
しかし、この時期は成長の差が大きいもの。
4月生まれと3月生まれではおよそ1年の差があり、特に子供の頃は発育が著しいのでその差も大きく感じられます。
個人差が大きいために成長の度合いや食事量が違うのも当然です。歯の生え方も個人差がありますし、食経験によって食べられるものも違います。
まずはご自身のお子様が今、どのような状況なのかを見て、比較することなく対応をしてあげましょう。
この時期は、周りと比べるのではなく、ごはんを楽しく食べられることがなにより大切です。
お悩み(3)お肉しか食べない!
お肉が好きな理由も様々かと思いますが、「味」も一つの要因にあります。
しっかりとした味付けで食べることの多いお肉は、味もわかりやすく好まれやすい傾向にあります。
そのため、あっさりとした魚を苦手とする子どもに対しては、アジフライなどの揚げ物にする、かば焼きなどの甘辛い味で嫌悪感をなくすことから始めてみるのも良いでしょう。
また、お肉ばかりを好む子供に対しては、無理にお肉以外の食事を与えるのではなく、お肉と一緒に他の食材も美味しく食べられるメニューをオススメします。
しゃぶしゃぶサラダや具だくさんのカレー、ハヤシライス、シチューなどは野菜やお米も一緒に食べることもできます。
食事を楽しむことを大切に
いかがでしたか?
子どもの頃は少食、好き嫌い、偏食など食に関するお悩みは多くあると思いますが、少しずつでも解決していきましょう。
そして一番大切なのは食事を楽しむということです。
悩みが多くて、ついつい食事の時にママの顔が曇っていませんか?
家族が笑顔で楽しく食事をすることで「食べる=楽しい」というイメージを自然と持たせてあげましょう。
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※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。
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