幼児期の運動や遊びなぜ必要なのか?
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幼児期の運動や遊びはなぜ必要なのか?:スクスクのっぽく ん

幼児期に遊ぶことの重要性

幼児期の遊び

「遊ぶ」ことに関して、どのようなイメージを持っていますか?

自分自身が子どもの頃は、「遊ぶ」ことの意味をもちろん意識などしませんよね。

実は幼児にとって「遊ぶ」ということは、想像力と創造力を働かせ・身体を思い切り使い・他者とコミュニケーションを取ることによって、心と身体の発達を促すことができる大切なことなのです。

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の遊び(運動)の意義について、文部科学省が掲げる「幼児期運動指針」に沿い、すくすくのっぽくんトレーナーである「藤沢さん」にお聞きしました。

幼児期の遊び(運動)の意義

体力・運動能力の向上

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)は、「タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりするなどの運動を調整する能力」が著しく向上する時期。この能力は、新しい動きを身に付けるときに重要な働きをし、事故や怪我などを自分の状況判断によって防止する力にもなります。幼児期にこの能力を高めておくことは、児童期以降の運動機能の基礎を形成する上でとても重要です。

社会適応力の発達

幼児は、徐々にたくさんの友達と遊ぶことができるようになります。その中で仲間とのルール・約束事を守り、自分の主張をうまく伝えたり、友達を受け入れたりといったコミュニケーションを取り合いながら、社会性を養うことができるのです。

幼児期の子どものアイデアに反応してあげると、「遊び仲間として優れているのだ」と子どもが自信を持ち意欲的になるのです。(米オーバーン大学のジャクリン・マイズ教授とエレン・アベル教授の研究より)

認知的能力の発達

幼児期に遊び・運動をするときは、状況を判断から、身体を動かすまで脳の多くの領域を用います。すばやい方向転換に加え、状況判断・予測など行う全身運動は脳の運動制御機能や知的機能の発達に良いとされています。また、遊びを自分たちで新たに創り出したり、ルールを状況に応じて変えることは、豊かな創造力を育みます。

また、幼児期運動指針では、幼児は様々な遊びを中心に、毎日合計60分以上は楽しく体を動かすべきだと書かれています。お手伝いやお散歩など生活の中での動きも含まれており、様々な動きを取り入れることが上記3つの能力の向上につながっていきます。

ではこれらを踏まえ、子どもの成長・年代に適したオススメの「遊び」を紹介していきます。

3~4才頃の運動や遊び

おすすめのあそび

  • 滑り台、ブランコなどの固定遊具
  • マット運動(前まわりなど)

どんなことができるようになるの?

  1. 運動能力 :図1の3種類の多様な動きが一通りできるようになる
  2. 社会適応力:大人の補助により、簡単なルールがある遊びができる
  3. 認知的能力:

4~5才頃の運動や遊び

おすすめのあそび

  • なわとび
  • ボール(蹴る、投げる、転がす)
  • スコップ遊び

どんなことができるようになるの?

  1. 運動能力 :基本的な動作が定着し、さらに向上し、身近にある用具を使って操作するような動きが上手になっていく
  2. 社会適応力:友達と一緒に運動することに楽しさを見出す、ルールをや決まりを作ることにおもしろさを見出す
  3. 認知的能力:大人が行うような魅力ある動きや気に入った動きを真似することで、動きを獲得する。

5~6才頃の運動や遊び

おすすめの運動やあそび

  • 友達とルール付きの鬼ごっこ(氷オニ、ケイドロなど)
  • 友達とフルーツバスケット
  • パパママと

どんなことができるようになるの?

  1. 運動能力 :バスケットボールのように、ボールをつきながら走るというような、動きを組み合わることができるようになる
  2. 社会適応力:目的に向かって集団で行動できる、それまでの知識や経験を活かすようになる
  3. 認知的能力:他者と関わりながら、工夫して遊びを発展させていくこともできるようになる
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おうちの中で身体を動かせる運動や遊びが知りたい

雨が降って、お外でたくさん遊べないとき。忙しくておでかけができないとき。それでもこどもはエネルギーがいっぱい、余ってしまいます。

保育士の観点から、おウチで身体を動かせる運動や遊びを聞いてみました。

(注)転んだりしても危なくないように、部屋の中を片付けてから始めましょう。おうちの方が必ずそばにいてあげてください。

音楽に合わせて歌ってダンス!

保育園・幼稚園で、音楽に合わせて手を叩いてリズムを取ったり、カスタネットなど楽器を鳴らしたり、簡単な振り付けで踊ったりします。これはおウチでもできる運動をかねた遊びです。

人間には呼吸や心臓の鼓動など、内側からのリズムがあり、子どもはそれを音楽に合わせて共鳴させようとするのです。だから楽しい音楽をかけてあげるだけで、自然に身体を動かしたくなるでしょう。

さらにママ・パパも一緒に歌ったり身体を動かすと、楽しさを共有できてこどもも大喜び、音楽が楽しいものだとより感じるでしょう!

けんけんぱなど取り入れた障害物レースで運動!

大きな公園に行くと、ドキドキするアスレチックや遊具がこどもたちを魅了しますよね。「まだうちの子には早いかも?」という場合や、雨が降って行けない、という時にはおウチでオリジナル障害物コースを作るのがオススメです!

家中をコースにして、廊下はテープ等で印をつけて「けんけんぱ」、ベッドルームはお布団でできた滑り台からゴロゴロダイブ、リビングはテーブルのトンネルをくぐって、ゴールはダンボールのおうちへ、など。子どもの好きなものをレースに入れてあげましょう。

おうちのどこでも!宝さがし

この遊びはこどもの成長によって難易度を上げていくことができます。

最初はこどもの好きなお菓子やぬいぐるみなどを布団の下に隠しておきます。布団に潜って手探りで宝を探して、気分は探検家!なれてきたら、今度はこどもに宝を隠してもらって、「どこかな~」と探していると子どもが助けてくれたり。

また、こどもが絵を書けるようになってきたら、お宝を決めて、「宝の地図」を書いてもらいます。小さいこどもは書くことそのものが楽しいので、おそらく読めるような地図は作れません。しかし、手や指を動かすことは運動能力の向上につながります。完成したら一緒になって宝を探してあげましょう。

地図づくりによって、空間認識能力が少しずつ養われていくと思われます。

集中力がなく飽きてしまいます

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の遊びへの集中力は約30分ほどです。おやつタイムやお昼寝を挟みながら、次の遊び、また次の遊びへ・・・と興味が移っていくもの。しかし個人差があるため、我が子は少し飽きやすいのかも?という心配もありますよね。

もし人の話を最後まで聞いていられなかったり、集団から外れてはしゃぎまわるなど、遊び以外でも集中力のなさが気になる場合は、次の遊びを試してみてください。

保育園でもよく遊ぶ「ペープサート」「お面作り」

本来の英語表記はpaper puppet theater、つまり紙人形劇です。

保育園ではお絵かきや工作等はこどもを集中させる遊びのひとつとなっています。頭の中のイメージを、手を使って具体的なものに昇華させることで、脳はフル回転します。おのずと集中力が必要になります。

ペープサートは大人が作り、絵本の内容に沿って動かしたりするパターンが多いですが、子どもと一緒に作る方が、より子どもの集中力や創造力を働かせることができるでしょう。

3才~4才「今日はももたろうのお話をやってみよう!」

まずは子どもの好きな物語でトライ。登場人物は少なめな方が取り組みやすいです。特に最初は「桃太郎のお面」や「おさるさんのお面」などお面を作って役になりきって遊ぶだけでも楽しいでしょう。

「次はどこに行くんだったかな?」などストーリーを進めてあげると良いです。

4~5才ペープサートに挑戦!

かためな紙を2枚用意し、キャラクターの絵を書いていきます。2枚を合わせて、間に割り箸等を挟んで固定すれば完成です。

子どもの好きな物語でもいいですが、子どもの好きなキャラクターによるオリジナルのはちゃめちゃなストーリーでも構いません。子どもの創造力が働きます。

また、表と裏で衣装を変えたり、表情を変えるとストーリーに幅ができます。慣れてくるとひとりでも集中して作り上げることができますので、聴く側になり、一生懸命な子どもを見守ってあげましょう。

※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。

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