増えるマイコプラズマ肺炎に注意を!
例年、夏になるとヘルパンギーナやプール熱、アデノウイルスや手足口病の感染が拡大しますが、今年はマイコプラズマ肺炎が過去最高の水準で増加しています。
そこで今回は、子どもが感染しやすいマイコプラズマ肺炎の特徴と対策について、ご紹介します。
マイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマという微生物によって発症する肺炎です。潜伏期間は1~4週間と比較的長く、主に6~12歳の学童期にあたる子どもが感染しやすいという特徴があります。主な感染経路は咳やくしゃみによる飛沫感染であり、特に家庭内のような濃厚接触の場では感染が拡大しやすいです。
感染すると、まず発熱や倦怠感、頭痛など一般的な風邪と同じような症状が現れますが、3~5日ほど経過すると乾いた咳が出るようになります。咳は解熱後も3~4週間程度続き、喉の痛みや腹痛などの症状が現れることも少なくありません。
症状が長引くものの、ほとんどの場合は自然治癒が見込めます。しかし、感染者全体のうち、3~5%は肺炎を発症することがあり、重症化した場合は入院による加療が必要な場合もあります。
マイコプラズマ肺炎の治療法
小さい子どもがマイコプラズマ肺炎を発症した場合、軽症で済むことが多いです。自然治癒が見込めることもありますが、学童期以降や看病している大人が感染した場合は重症化することもあるため、抗生剤などによる適切な治療が必要になります。
マイコプラズマ肺炎に効果がある抗生剤はいくつかあるものの、中には特定の抗生剤が効かないケースもあります。
したがって、期待する効果が得られない場合は、抗生剤の種類を変えて様子をみることも少なくありません。
基本的な感染対策で予防を
東京都は2024年8月26日、マイコプラズマ肺炎の患者報告数が統計開始以来最も記録したと発表しました。報告された患者数は70人で、前週よりも29人増加している状況です。
こうした流行の背景には、新型コロナウイルスの感染対策が緩和されたことが原因と考えています。マイコプラズマ肺炎は、感染力自体は少し強くありませんが、飛沫や濃厚な接触による感染が広がるため、注意が必要です。家庭内で子どもから大人に感染することも多いため、家族の健康を守るためにも、改めて手洗いや換気などの基本的な感染予防策を徹底しましょう。
参考URL
『ヨミドクター』
https://www.yomiuri.co.jp/yomidr/article/20240927-OYT1T50041/?catname=news-kaisetsu_news
『厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mycoplasma.html
- MR(医薬情報担当者):編集部スタッフ:古谷祥子