幼児期の食事についてー成長・発達に必要な栄養素とは?(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児):スクスクのっぽくん
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幼児期の食事についてー成長・発達に必要な栄養素とは?(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)

幼児期の食事・食生活の重要性とは

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)は、乳児期に次いで最も身体発育が著しい時期で、2才から5才の間で体重は約2倍、身長は約1.5倍にも伸びます。そして、食事・食生活の基礎ができる大切な時期でもあります。

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)の食事で重要なポイントとは?

「子どもの成長は、6歳までの食事で決まる」という学説があるほど、この時期に何をどのように食べさせるかによって、その子の将来の食生活が決まると言われています。ではどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

管理栄養士の磯村さんに聞いてみました。

規則正しい食事習慣

良く聞かれる言葉かもしれませんが、とても大事なこと。
1日の中でも「食事の時間を決める」ことは身体に消化・吸収のリズムをつける意味でもとても大切なことです。

食事と食事の間をきちんと空けることで、おなかが空きますので次の食事をよりおいしくいただけます。

「食経験」を増やす!

幼児期はとても成長が著しいので、「何か特別なことをしなきゃ!」と思われがちですが、基本は大人も子供も同じです。ただ、この時期は活動量も成長も著しい時期ですので、エネルギー源となるごはんと体の土台となるたんぱく質(肉や魚など)が不足しないように注意が必要です。

いっぱい食べてくれるからと言っていつも子どもが好きなものばかりを並べていては、どうしても単調な食事でバリエーションが増えません。この時期から大人同様、様々なものを食べることで「食経験」が積み重ねられます。

そして食経験が豊富になることで味覚の幅もぐっと広がり、食べられるものも自然と増えるのです。

おやつのススメ

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)は身体が小さい割には多くのエネルギーが必要となります。それは活動量が多きことに加えて、体もぐんぐん成長しているからです。例えば、3~5歳の子供は1日に必要なエネルギー量が1200~1400kcalとされています。(大人は2000kcal前後です。)

しかし、1日3回の食事では補え切れない場合もあります。
そんな時はぜひ「おやつ」を取り入れてください。

「おやつ=お菓子」と思っている方も多いかと思いますが、おやつは3回の食事で補いきれない栄養素を補うためのもの。

エネルギーが足りない子にはおにぎりやふかしたさつまいも。ビタミン・ミネラルが足りない子には野菜や果物、またはそれらをミキサーにかけたスムージーなども立派な「おやつ」になります。

中でも特に不足しやすいのがカルシウムや鉄。
これらのミネラルは成長に欠かせない栄養素ですので、なかなか普段の食事からとるのが難しい・・・という方は栄養機能食品などで補給するのもひとつの手です。

栄養補助食品については、こちらでも解説をしていますので、もしよろしければ参考にしていただければと思います。

→管理栄養士おすすめ!幼児期の食事を助ける栄養補助食品2選!
→幼児・子供の栄養を補助する食品の選び方

どの栄養をとればいいの?

幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)は活動量成長が著しいためにエネルギー消費量も多くなりますがそれを完璧に補給するのはなかなか難しいというのが現状です。

そこで不足しやすい栄養素をしっかりと把握して、質の高い食事を目指しましょう。

特に注意して摂りたい栄養素は以下の4つです。

カルシウム

丈夫な骨や歯を作るのに欠かせないカルシウムですが、実は血液や筋肉、神経に対しても重要な働きをすることが分かっています。

また、農林水産省においてもカルシウムは成長期に必要な栄養素であることから十分に摂ることを推奨しています。

カルシウムが多くとれる食品

食品群 食品名 摂取量 カルシウム含有量
牛乳・乳製品 牛乳 コップ1杯(200g) 220mg
ヨーグルト 1パック(100g) 120mg
プロセスチーズ 1切れ(20g) 126mg
野菜類 小松菜 1/4束(70g) 119mg
菜の花 1/4束(50g) 80mg
水菜 1/4束(50g) 105mg
切り干し大根 煮物1食分(15g) 81mg
海藻 ひじき 煮物1食分(10g) 140mg
小魚 さくらえび(素干し) 大さじ1杯(5g) 100mg
ししゃも 3尾(45g) 149mg
豆類 木綿豆腐 約1/2丁(150g) 180mg
納豆 1パック(50g) 45mg
厚揚げ 1/2枚(100g) 240mg

参考 農林水産省 「世代・ライフスタイル別トピックス 大切な栄養素カルシウム」

カルシウムは全年代を通して不足しがちな成分とされています。なかなか食事で補えないお子様には、青汁や幼児向けの栄養食品などを上手に活用することもおすすめします。栄養が不足してしまうと成長にも大きく影響が出ますので、幼少期からなるべく十分な量の栄養が摂れるよう心がけていきましょう。

カルシウムやβカロチン、乳酸菌などが少量で手軽に摂れる「こどもフルーツ青汁」もおすすめです。

たんぱく質

たんぱく質は私たちの体の土台を作るのに欠かせない栄養素です。たんぱく質の必要量は、大人では体重1㎏に対して、約1gの所要量です。

しかし、成長期の子供は体重1㎏あたり1.5~2gを必要とします。大人よりも多くのたんぱく質を必要とするこの時期はただ単にどんなたんぱく質でも量を取ればよいというわけではありません。

たんぱく質は「アミノ酸」が組み合わさってできているのですが、その中でも私たちの体内では作ることが出来ず、食事からしか補えないアミノ酸があります。それらは「必須アミノ酸」とよばれ、成長期の子供には10種類の必須アミノ酸があります。そのどれか一つがかけてしまうと、バランスが崩れてしまいます。

つまり、たんぱく質はアミノ酸の「質」が重要ということになります。 このアミノ酸がバランスよく含まれている食品が肉や魚、卵や乳製品などの動物性たんぱく質です。

もちろん、大豆製品など植物性たんぱく質もバランスよく摂ることが大切です!

βカロテン(ビタミンA)

βカロテンはかぼちゃやニンジンなどの色の濃い野菜に多く含まれる色素の成分です。

体内ではビタミンAに変換されて、同様の働きをします。目や喉、胃腸などの粘膜の潤いを保つ働きがあります。粘膜の潤いを保つことによって外からの菌の侵入を防ぐことが出来るので、免疫力UPにもにもつながります。

また、ビタミンAは目の健康にも欠かせない栄養素となっています。パソコンや携帯などの液晶画面を見る機会が増えた現代では特に疲れ目などを内側からケアすることが大切となります。

私たちの体は酸素がなくてはなりません。その大切な酸素を体の隅々まで運び届けてくれるヘモグロビンの原料となるのが「鉄」です。

しかし、鉄は摂取・吸収が難しいうえに成長期では消費も激しいため、不足しがちな栄養素のひとつです。

不足すると、貧血・疲れやすくなるなど起こります。小さな子ども達には貧血による体調不良を自覚しにくいため、発見が遅れがちになるので注意が必要です。

鉄はもともと体内で吸収されにくい栄養素ですが、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ることで吸収率がUPします!

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好き嫌いが多い

まだまだ食経験が少ない幼児期(2歳児、3歳児、4歳児、5歳児)では好き嫌いが多いことも珍しくありません。それは味や香りを本能的に判断していることも大きく影響しています。

しかし、ここで「食べなさい!」と無理強いしてしまうと、ますますその食材へのマイナスイメージが強くなってしまいます。調理方法で工夫をしたり、同じ栄養素を取れる別の食材で代用したりするとよいでしょう。

例えば、にんじんが嫌いであれば、共通の栄養素であるβカロテンを含むかぼちゃを使う、など。

また、ここでの大きなポイントは嫌いだからと言って食卓からなくさないこと!食卓からその食材をなくしてしまうと、克服するチャンスをなくしているのと同じことです。

その他には、ご両親が美味しそうに食べている姿を見せてあげる、ということも重要なポイントとなります。

★オススメ調理法

好き嫌いが大きく分かれるのが野菜です。野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維など体の調子を整える栄養素がたくさん含まれていますので、ぜひしっかり摂って欲しい食材の一つです。

オススメは甘味のある果物と一緒にスムージーにしたり、パンケーキに混ぜたりして少しずつ食べられるようにすること。

少食でなかなか栄養が摂れません

食べる量が少ないと、必然的に摂ることのできるエネルギー量や栄養素は少なくなってしまいます。その場合は、回数を増やすこともひとつの手段です。

例えばおやつを、一口サイズのしらすを混ぜたおにぎりや、ふかして甘味の強いさつまいもなどにすると、エネルギーを補充させることができます。

少食の場合には、どうしても十分な栄養が補えないこともあると思います。そんな時には、食事の負担にならない栄養補助食品などを上手に活用することもおすすめです。

食事中、行儀が悪くて注意ばかりしてしまう

食事は毎日のこと。一度にすべてを正そうとするのは難しいので、繰り返しにより食習慣ができあがっていきます。幼い頃から少しずつ正しいマナーを身につけましょう。

★幼少期からできるマナーポイント
ながら食べをしないようにする

テレビが気になって食事の手も口も止まってしまいます。その結果食べる時間がだらだらと長引いてしまい、次の食事に影響が出たり、途中から食べることに飽きてしまい食べきれないこともあります。

できれば食事中は家族のコミュニケーションの時間にして、料理を五感を使い味わうことに集中してみましょう。

「いただきます」と「ごちそうさま」

食事のときのあいさつには、牛や豚、魚などほかの動物の命をいただくことへの感謝と、食物を精魂こめてつくってくれた人への感謝の気持ちがあらわされています。「いただきます」と「ごちそうさま」をみんなで手を合わせて声を揃えて言うと自然と気持ちがいいです。

また、食事の始まりと終わりにメリハリを与え、「ごちそうさま」までは立ち歩かない、などのマナーを教えやすくなります。

姿勢と消化吸収

姿勢と消化吸収は一見何も関係が無いようにも思われがちですが、実は密接に関係しています。

例えば、背中を丸くして食べてしまうと、自然と胃腸が圧迫されて苦しい状態になります。このまま食べ続けてしまうと、胃腸が動きづらい状態にありますので、消化不良の原因となってしまいます。

きちんとした姿勢はマナー面でも大切なこと。ぜひ、この時期から習慣づけることで、大人になってもスマートに食事ができるように心がけましょう。

お菓子ばっかり食べてしまいます

たくさん食べている姿を見るのは嬉しい限りですが、それがスナック菓子やひとつの食材などに偏ってしまうと問題です。

何を食べているかをきちんと把握して、エネルギー源を多く摂り過ぎているな、と感じる時は、野菜や果物中心のおやつにすることもオススメです。

また、飲み物も甘いジュースばかり飲んでいる場合は、まず半分の量をお茶や水などに変えてみましょう。

※本コーナーは医師、管理栄養士、保育士など各分野の専門家に監修をいただいております。ただし、幼児期の発達・発育状態、心理状態には個人差がございますので、全てのお子様への該当を保証するものではございません。

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