伊藤みきさんプロフィール

五輪で学んだこと

のっぽくん

2010年バンクーバー五輪は、伊藤さんにとって２度目の五輪でした。どんな大会でしたか？

伊藤さん

バンクーバー五輪のときは、決勝に残れるかが決まる予選の方が怖かったんですよ。『もし予選で落ちたら、現地まで来てくれた人に申し訳ない』ということが頭によぎって、観客の人の方に吸い寄せられてしまって……。予選ではあんまりいい状態で滑れなかった。けれど、決勝になったら、『私はこの１本でスキーを辞めるわけではない、次の五輪に向けた４年間の始まりの１本だ』と考えることができたんです

のっぽくん

すごくいい気持ちの切り替えができたんですね。

伊藤さん

だから、たとえ転んでも、始まりなんだから起き上がって進めばいい、と。最後に転んだら厳しいけど、始まりならいくらでも挽回できますよね

のっぽくん

2014年のソチ五輪に向けて、どうすごしていきたいですか？

伊藤さん

ソチでは、トリノ五輪とバンクーバー五輪で得たものの集大成にしたい。すごく大事な３年間になると思います。自分の期待をいい意味で裏切って、想像以上のものを生み出したいですね

のっぽくん

いい意味で裏切るというのは？

伊藤さん

ここではコケへんやろっていうところで1回コケるのも、イメージを壊して次にいけるステップになると思う。たとえば階段を登るときに、不安定になるのを恐がって慎重になるのではなく、前に一歩踏み出して前に転びたい

のっぽくん

長い目で見たら、それは失敗ではないわけですね。

伊藤さん

まわりが失敗だと思っても、自分は目標のためにやっていると考えてやりたい。結果を出すべきところで出す選手になりたいんです

のっぽくん

目先の評価でブレるようなことはしたくないと。

伊藤さん

はい。もしかしたら相当しんどいことかもしれないけれど、最終的に良かったと思えるんだったら、今はどんなことでも耐えられる。『嫌やな』っていうことがあっても、全部ソチのためにって思うようにしています