安藤師範プロフィール

合気道とは

「合気道を一言で言うと古くて新しい武道です。」と安藤師範。
源をたどると約八百年前に遡り、森羅三郎義光に行き着くといいます。平安時代後期の武将で、源義光のことです。

合気道として発表されたのは戦後のこと。源は古いが、新しくまとめられた武道、そういった意味で「古くて新しい武道」なのです。

さらに、合気道には試合がありません。人と優劣を競うことがなく、心身の鍛錬を目的としています。効率最優先の現代においては、これも古くて新しい。

また、インターネット時代になり、人と人の直接的な関わりが希薄になっているなかで、直接触れ合い、相手の意をくむ稽古を行なうという面においても古くて新しい。古く歴史のあるものだけど、現代に欠けている部分を補うことができる新しい武道、それが合気道なのです。

“姿勢”の大切さ

　「姿勢を良くすると、感情のコントロールができる。姿勢と意志力、粘り強さや継続性のようなものには関係があるんだ。ある程度、体つきとか姿勢から、その人の精神性が見えてくるものなんだ。」

と安藤師範。確かに安藤師範を始め、野球のイチロー選手、サッカーの中田選手など一流の人の姿勢はみんなシャキッときまっています。

姿勢の矯正をしたタイミングで、一気に体も成長し、成績も急上昇、全国模試で１番をとったという話も聞きます。これらのことは、スポーツ、学問、身体の成長と枠をくくらず全てのことにおいて、良い姿勢による意志力を物語っている事例ということができるかもしれません。

大切にしていることは“静と動”のメリハリ

子どもクラスや、ファミリークラス（親子一緒に合気道の稽古をするコース）にも力を入れられている安藤師範の道場において、指導するに当たって大切にしていることを伺ってみました。

「子どもたちの稽古で大切にしていることは、『静と動』のメリハリです。」と答える安藤師範。

「これは、逆境の時にはじっと耐え、動くべきときには一気に踏み出せるという状態を身につけることにも繋がってくる。その第一歩として、子どもたちに正座をするときには、心も体も落ち着けじっと座っていられること、動く稽古をするときには、元気良く思いっきり取り組むことが出来るようにしているよ。」

「静と動」のメリハリをつけられるのも、姿勢が正せることが先ず基本としてあるように思います。しっかり姿勢が正せる、全てにおいての基本なのですね。

「うん、その通りだね。姿勢が悪いとじっとしていられない。」

では合気道においての姿勢の重要性とは、どのようなものでしょうか。

「簡単に言うと、下半身の力を伝えるパイプのようなもの。背骨の線がしっかりしていないと全身の力がうまく使えない。腕だけで何かをしようとしてもなかなかできるものではないんだよ。」と安藤師範。

合気道の基本動作は、うまく体が使えるようになるコンディショニングの要素を含んでいるように感じられます。

安藤師範のお話を伺いながら、合気道の現代における大きな可能性を感じると共に、姿勢や体のバランス、コンディショニングの大切さをより強く認識できました。