入園当初の大泣き対処法~頑張って泣いたね!~ ー元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
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連載:元幼稚園教諭から見た『園児のココロ、大人のココロ』
今回のテーマ

入園当初の大泣き対処法~頑張って泣いたね!~

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入園おめでとうございます

桜が咲く暖かな季節、幼稚園・保育園の入園の時期ですね。

「行かない」「ママも一緒がいい」そう泣かれてしまうと、対処に悩みますよね。

そこで今回は、泣いていた子どもが「明日も幼稚園・保育園へ行きたい!」そう言えるようになったエピソードをご紹介します。

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最初に泣くのはとてもいいこと

泣かずに笑顔で登園してくれるお友達を見ると、「どうしてうちの子は泣くのだろう」と悩んでしまいますよね。

子どもにとって初めての集団生活です。「ママと離れてどんな事をするのかな」と不安でいっぱいなのは当然です。

泣かないで新生活をスタートしたから安心というわけでもありません。

5月の連休明けから突然「行きたくない」と泣きだす子がいます。このケースの方が長引く事も。

最初に大泣きした子どもは実はラッキーです。

なぜなら、担任の先生以外にもすぐに名前を覚えてもらい、みんなの先生が見守ってくれるからです。

泣きながら大暴れする子もいますが、これは自分の気持ちを全身で表現できたという事です。よく頑張りましたよね。

泣いたお子さんには必ず保育者が側にいます。

ここでは先生が自分を見守ってくれる、そう信頼関係ができれば子どもの不安は段々なくなります。

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離れ際はさっと素早く笑顔で

子どもは親の気持ちを敏感に察知します。

「今日も泣くかな」そんな風に考えていませんか。泣かれると切なくなってしまいますよね。

一緒にほろりと涙を流したり、なかなか離れられなかったりしていると、その気持ちや涙が伝わりお子さんの気持ちを引きとめている事があります。

離れ際は笑顔で「楽しいよ、行ってらっしゃい」とさっと引き渡してください。

どんなに泣こうが心配しないでください。

お歌に季節折々の製作に行事、お友達と過ごす園生活は楽しい事でいっぱいです。

園と先生を信じてさっと引き渡して下さい。

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守れる約束で安心を

「辛かったら迎えに行くね」そんな言葉を掛けてはいませんか。

子どもはその言葉を信じ「ママに電話して。迎えに来てくれる」と泣き続ける事も。

泣かれるとついその場しのぎで言いたくなるかもしれませんが我慢です。

園で覚えた歌を一緒に歌ったり、園での楽しい事を出来るだけ思い出させてあげたりするといいかもしれません。

「帰りもバス停で必ず待っているからね」「お帰りの時間に迎えに行くからね」そう伝えてあげてください。

子どもには頑張る力と柔軟な適応力があります。

案外覚悟していたよりもすぐに慣れて拍子抜けするかもしれません。

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「卒園まで泣き続ける子はいない」それくらいの大きな気持ちでどんと構えましょう

勝負の一週間、一か月を過ぎても泣き続ける子もいます。

「育て方が良くなかったのかな」「園や担任との相性があわなかったのかな」と悩んでしまう事もあるのでは。


新しい生活の一つ一つを受け入れる事にパニックで2カ月近く泣き続けた子がいました。

事前に話しをすると受け入れやすいと分かりそれを心掛けました。

お手提げや防災頭巾などを全部握りしめて過ごし、毎日持って帰ると大騒ぎ。

最初は本人のしたいようにさせ、シール帳に「この日になったら持って帰るよ」と大好きな絵を描いて説明するなどしました。

初めての事に泣いて拒否する場合は、「次は体操着に着替えようね」と約束をします。

本人が受け入れるまで待つこともありますが、時には強引に「約束したから頑張ろう」と着替えさせてしまう事も。

できたらたくさん褒める。最初の一歩を踏み出せるよう試行錯誤でした。

入園当初は一日中大声で泣いていましたが、次第に受け入れられる事が増えていき、笑顔での登園になりました。


ほぼ一年間泣いて登園した子もいます。

落ち着く時もありますが、風邪や長いお休みの後は涙の登園がしばらく続きました。

中にはプライドを刺激して「お姉さんだから頑張れるよね」と声を掛けると頑張る子もいました。

しかしこの子はその言葉がプレッシャーになるようだったので、本人の意思で離れるまで側にいるようにしました。

年中になり全く泣かなくなりました。

卒園の際にお母様から「年少の一年間があったからこそ、娘の成長があります」とお手紙をもらいました。

子どもの成長にはそれぞれのペースがあるのだと改めて感じたエピソードです。


いつになったら落ち着くのだろうと不安になる時もあるかもしれませんが、時間がかかってもこのように乗り越えていった子どももいます。

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まとめ

これから入園を迎える方も、今まさに奮闘中の方もいらっしゃると思います。

大切に育ててきた我が子が自立への第一歩を踏み出し頑張る姿は、健気でもあり頼もしくもあるのではないでしょうか。

母になり、入園は大切に育てた我が子を社会に送り出す大切なスタートの日だったのだと改めて感じています。

入園当初の奮闘も過ぎてみればきっと懐かしい思い出に。

園生活が親子にとってかけがえのない宝物になりますように。

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この記事の先輩ママ:rengesou
プロフィール:
幼稚園勤務を経て現在一児の母。イヤイヤ期の我が子に現在奮闘中。お昼寝中のデザートが最高の息抜き!それを楽しみに朝から全力で遊ぶ毎日です!
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