こじゃず 2014年レポート
このタイトルは、今回アーティスト・ヂュオのDuiさんと一緒にこじゃずをやることが決まり、Duiさんが今までにトライしたワークショップの中で、一番魅力的だった「風のみち」(透明ビニール製の大きなトンネル)をホール全体を使ってやってみよう!ということになりました。このタイトルはそのときの打ち合わせを振り返ったときに生まれたものです。公演前のワークショップもすべて、この風のみちへとつながっていく。この公演がいったい子どもたちの中にどんな刺激を残すのか、風のみちはどこへ私たちを運ぶのか。まさに手探り状態のスタートだったことを懐かしく感じます。
今回はこの公演前のワークショップが目玉のひとつ。いろいろなカラーのビニール袋や素材、材料を用意。子どもたちはサンプル作品を見ながら、スタッフのアドバイスをききながら、思い思いに手の動くまま、風のみちに飛ばす贈り物を作りました。この自然と手を動かし、無意識に形をつくる、自分の中のアート才能を動かすことが、子どもたちの感性を高める上でとても大切な行為のようです。
Duiのお二人は、そんな子供たちの姿をあたたかく見守りながら、さりげなく、アート才能を開花しやすい環境づくりに心がけていました。
「マイ・フェバリット・シング」をはじめとした、スタンダードナンバーで幕開けしたオープニング。子供たちもまだまだ緊張のなか、ゆるゆるとしたサウンドが会場全体を包み込んでいきました。ジャズといっても、そのタイプはさまざま。こじゃずでは、子供たちの心にもなじみやすい曲を選んで、まずは大人と子どもの心のネジをゆるませます。
オープニングのジャズから、今度はじゃんけん大会へ。これはこじゃずの第二の定番となりつつある『ビーバップじゃんけん』のこと。西尾タイムはリピーターの子供たちが大好きな定番ソング「たことおじさん」をはじめ、歌あり、踊りありの和やかなライブタイムです。今回も大人と子供が一緒になって、笑顔で楽しんでいる様子が印象的でした。
ホール全体のあかりが薄暗くなり、ステージ場には空っぽの水槽を映し出したスクリーンが登場。これから何がはじまるの??と会場全体が水槽に注目していると、水槽に水が注がれ、縄やインクやクリップや塩や…いろいろなものがどんどん注入されていきました。水槽内に突然ひろがる泡や変化していく色、ゆらぐ波など、時折見せるグロテスクな様は、まさしく現代アートです。そこに加わる即興のサウンドが織り成す世界は、どこか異次元的な雰囲気を生み出していました。今回は撮影OKとしたので、このコーナーでは、ほとんどの大人がスマートフォンやデジカメを片手に撮影をしていたのが印象的でした。
休憩時間中に準備された大きな大きな風のみち。全長5メートル近くある透明ビニールのトンネルが2本も登場したことで、子どもたちのテンションがググッと上がっていくのを感じました。トンネルの紹介とともに、風のみちの中へどんどん子どもたちの作品が投入されます。それはまるで自分で作った凧を飛ばす快感にも似た面白さでした。子どもたちは即興サウンドを感じながら、跳ねるように何度も何度も繰り返し風のみちへと作品を投げ込んでいきました。アートが遊びと一体になり、そこに音楽が加われば、まさにお祭り!こんなエキサイトするコーナーがあるのもこじゃずらしさ、なのかもしれません。
風のみちの余韻を感じながら、おなじみの軽妙なジャズナンバー「セント・トーマス」から始まったフィナーレ。演奏途中でも席を立って踊りだす子どもがいたり、親子でリズムをとって微笑んでいたりと、リラックスした雰囲気のラストとなりました。定番ジャズから西尾オリジナル曲「伊藤啓太ヨヨイ」まで、こじゃずらしいミックスメドレーで今年のこじゃずの幕が閉じました。
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