五輪・金メダリスト森末慎二さんへのインタビューvol.3:スクスクのっぽくん

プロに聞く! 森末慎二プロフィール

1957年 岡山県に生まれる 1984年 ロス五倫体操、鉄棒で金、跳馬で銀、団体で銅メダルを獲得。 体操選手として活躍し、引退後はニュース番組のスポーツキャスターやバラエティ番組、情報番組に多数出演。ゴルフのシニアプロを目指したり、落語の道を精進したり、体操マンガの原作を手がけたりと、幅広く活躍。 今年からは、九州共立大学の客員教授に就任した。

夢を持つ前に、これだと思う熱中できるものを持ってもらいたい

森末さんの夢は、やはりオリンピックに出ることだったのだろうか?

「いえいえ、オリンピックに出るというのは、あくまで結果であって、野球 でいえばプロに行くようなもの。夢のまた夢という世界ですよ。
ただ、鉄棒遊びがお気に入りだった僕に母親が、「慎二は大きくなったらオリンピックにでるの?」と尋ねてきて、「出たら目立つの?」と、目立つことが好きだった僕が答えたら、「すごい目立つよ」といわれ、それからオリンピックへの憧れが芽生えたかもしれません。
それでも高校のときに国体で優勝しても、オリンピックに出られるレベルとは違いましたからね」

夢というよりも、とことん好きなものを見つけるということが、大事だったのであろう。

「僕はケガも多かったし、厳しい練習もしてきました。でも、体操を続けられた原動力は、とにかく好きだったこと。体操を辞めてしまったら、次の日から、鉄棒に飛びつけられない、というのが嫌だったから、続けてきました。
今の子たちには、夢を持つ前に、何かこれだと思うもので、好きになって、熱中できるものを持ってもらいたいですね。好きになれば、そこの最高峰が何か見えてくる。たとえば、野球のメジャーリーグであり、サッカーのワールドカップであり、目標であり夢が見えてくる。見えてきたことが、本当の夢なんだと思います。
最近は、何が好きなのか聞いても「わからない」という子供が増えている。その子たちに、夢を持てといっても「何の夢をもつの?」となってしまうのです」

とにかくこれだと、熱中できるためには、親の支えも必要なのだろう。

「今は、昔と違って、野球やサッカーをやるにしても、塾と塾の合間にサッカー教室だ、リトルリーグだという時代。価値観がみんな一緒なんです。
でも、その子が、本当にやりたいと強く思っている。さらには、これに向いているという子供の小さなサインを、親がしっかり受け止めなくてはいけないと思うんです。もちろん、それが勉強でもいい。でも、サッカーや野球、体操でも、なんでもいい。これはやりたいという、子供の心の声が発するサインに、親としても、素直に従ってもいいと思うんです」

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