千葉工業大学工学デザイン学科助教授・上野義雪さんへのインタビュー02:スクスクのっぽくん

プロに聞く! 上野義雪プロフィール

千葉工業大学工学デザイン学科 助教授

背筋を伸ばすことで、身長が伸びやすい体質に

のっぽくん
最近、姿勢が悪い子どもが増えたという話を聞きます。
上野義雪
上野義雪「最近の若い人の姿勢を見ると、みんな動物かと思ってしまうほど。歩いている姿勢などは猿そのもの。猿は本来、四つ足で歩くものだから、2足歩行をすればヒザが曲がり、背筋を丸め、腕を振らない。その歩き方に、今の若者は、きわめて近いのです。
さらにひどいのは授業を受けている生徒の姿勢です。背筋が曲り、猫背で授業を受けているから落ち着きがなくなり、集中力が散漫になる。結果、たかだか90分の講義時間ですら我慢できない。この傾向は、5?6年前から顕著に増え出してきました。まさに脳は進化しているのに、身体は退化しているのです。」
のっぽくん
悪い姿勢が増えたのは、なぜですか?
上野義雪
「食生活、運動不足など様々な要因があります。これらは後でお話するとして、最大の原因は親や教師、そして社会が、子供の姿勢に無関心であることだと思います。
昔は、親や教師に「背筋を伸ばしなさい」と、うるさく言われたものです。町を歩いていても、知らない人に「姿勢が悪い!」と怒られたこともあります。学校の廊下には必ず全身を映すことができる鏡があり日々チェックできたし、教壇の上には「姿勢を良くする」と大きく標語が掲げられていたものです。
しかし、最近の社会は、子供の姿勢よりも、学校の成績や格好良さばかりに気を遣っているようです。まして大人が正しい姿勢を知らないというから困ったものです。」
のっぽくん
姿勢は子供のうちから気をつけていた方がいいのですか?
上野義雪
「もし、子供の姿勢が悪いなら、少しでも早いうちに戻していくことが大事です。成長が進めば進むほど、骨が固まってきますから姿勢は戻しにくい。そうなってからでは遅いのです。」
のっぽくん
子供の姿勢が良いと、どのような効果があるのですか?
上野義雪
「正しい姿勢とは、力学的に安定して、エネルギーの消費が少ないということです。内臓の働きを妨げることがないので、子供の成長にとって欠かせない栄養の消化、吸収がスムーズになるのです。そうなれば胃の働きも活発になり、食べ物もおいしくなる。また脊髄を守っている背骨は身体の中心です。正しい姿勢にすることで背骨が伸び、リンパや血液の流れを促します。
背骨が湾曲している猫背の人が、姿勢を正すだけでも身長が高くなります。さらにいえば、曲がったままでは、骨の成長も止まってしまいます。つまり、背筋を伸ばすことで、身長が伸びやすい体質になるのです。
また集中力も姿勢が良い子供と悪い子供では、差が出てきます。姿勢が悪い子供は身体に無理をして長時間机に向かうため、集中力が落ちてくるのです。これは学力低下にもつながります。勉強しろと言う前に、正しいイス、机を用意し、正しい姿勢で座る習慣を身に付けることが、まず、第一なのです。」

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